稼ぎまくるアウトローたちの実態に迫った。
ITベンチャーがひしめく東京・渋谷のオフィスビルの一室。関係者が見せてくれたその部屋の写真には、80平方メートルほどのシンプルなオフィスに30ほどのデスクが並び、20代から30代とおぼしき男女がひっきりなしに電話をしながら、手元の紙に何かを書き込んでいる姿が写っていた。
一見、ただのコールセンターのようだ。しかしここは、使い古された特殊詐欺用の「名簿」を最新データにアップデートしてよみがえらせることを目的とする会社のオフィスなのだ。
特殊詐欺は、名簿、言い換えるなら情報がなければ成立しない。その質や精度、鮮度によって、成功率やだまし取る金額が左右される。そのためこのオフィスでは、名簿をつねにアップデートしているわけだ。
こうした名簿は、もともと外部の「名簿屋」から仕入れるのが一般的だった。しかし最近は、「詐欺グループが自前で作るケースも増えている」と語るのは、2年前まで関西の特殊詐欺グループのメンバーだったY氏(30代)である。
有名企業出身者がずらり
この会社は、都内を拠点に活動するある詐欺グループの幹部が知人につくらせたもの。名簿のアップデートのみならず、新規作成も手がけており、表向き、情報調査会社として一般の企業にも名簿を販売している。
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