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日本社会には早すぎた? 「情報銀行」の大誤算 "新時代の官製ビジネス" 船出は華々しかったが…

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始まりは官製ビジネス、だが笛吹けど踊らず。

情報銀行のイメージ
(写真:ipopba / PIXTA)

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データは金になる――。長い間そう言われてきたが、試行錯誤の末、ようやくビジネスが開花し始めた。
『週刊東洋経済』2月10日号の第1特集は「データ錬金術」。情報を金に換えるノウハウを先達から学ぼう。
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2018年10月、総務省の地下講堂は熱気に包まれていた。集まった約200社、400人超のビジネスパーソンの目的は、本格的な開始を翌年に控えた「情報銀行」認定制度の概要を知ること。この日は、総務省とITの業界団体「日本IT団体連盟」(IT連盟)による説明会だった。

情報銀行の仕組みはこうだ。まず、個人からさまざまな情報を預かる。それを本人が同意した範囲で、欲しがる企業へ有償で提供。個人は対価として、換金可能なポイントなどの便益を受けられる。

データ保護の信頼性を担保すると同時に流通を促進させる──。そんな理念の下に国が発案し、指針も作成。それに沿ってIT連盟が事業者の審査と認定を担う。説明会に企業が殺到した事実は、当時の期待感を物語る。新時代の官製ビジネスの船出は華々しかった。

企業が欲しいのは「加工品」

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