「日経平均バブル超え」になったら何が起こるのか 日本株高騰の背景と株式市場が待ち受けるリスク

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現在の日本株高騰の背景には、製造業にとってはプラス要因になる円安が影響しているが、最近は1ドル=120円台といったドル安円高に戻るのではないか、と予測する人も増えている。その背景には日銀の「マイナス金利脱却→利上げ」というシナリオがあり、以前のような円高に戻るのではないかと言われている。

しかし、その一方で新型NISAの導入によって、個人投資家の「買い」は年間0.7兆円~3.9兆円程度になると見込まれており、そのほとんどがいまのところ海外の投資信託やETFに振り向けられており、為替市場に与える影響は「最大6円」程度の円安圧力になると見られている(日本総研 2024年1月19日「新NISA、今後4年で最大対ドル6円の円安圧力に」)。

年間で360万円、最大1800万円、無期限に拡大された非課税枠だが、対象となる投資信託は全商品の3分の1に当たる2000本程度となった。対象ファンドの中には、日本株で運用する投信の中で最大の残高がある「ひふみプラス」をはじめ、個人投資家の資金が国内の株式に流入する環境は整ったと言っていい。

個人投資家の資金が安定的に流れこむ効果

これら個人投資家の資金が安定的、継続的に流入してくれば、海外投資家のような短期的な資金に振り回されずに済む。ここ数年は、まだ海外投資家の資金が市場を乱高下させるかもしれないが、個人投資家の資金がある程度の投資金額になれば、市場は安定した上昇を示すはずだ。問題は、日銀のETFだが、市場を乱さない程度に売却するシナリオを実践すべきだろう。

いずれにしても、新型NISAは年金生活者の資産防衛法として活用できるし、年金を頼りにできない世代には貧しい老後にならないためにも早めのスタートが求められる。日本株が一直線に高騰することは望み薄だが、現在の不安定な世界では日本株が買いなのかもしれない。投資にはリスクはあるが、何もしないリスクがあることも認識すべきだろう。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事