大借金に汚れた国土、そのツケ回しは無責任--『創発的破壊』を書いた米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)に聞く

大借金に汚れた国土、そのツケ回しは無責任--『創発的破壊』を書いた米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)に聞く

個々の小さな行為の総和が想像を超えるパワーや結果を生む「創発」。大震災を経た日本の未来を作るイノベーションにおいては「創発的破壊」が不可欠であり、それが日本を変える力になるという。

──ご自身には、日本の「未来の姿」が見えている、と書いています。

世界がうらやむような未来だ。分散化した都市国家を築き、これまでの半分以下のエネルギー消費で豊かな暮らしを続け、そのノウハウを世界と分かち合うことで富に換えている、そんな日本の姿が私には見える。

──「原発大国」ではダメですか。

今さら原発頼りに戻っても、どこの国からも尊敬されない。もともと原子力発電は廃棄物の最終処理に「正解」がないテクノロジーだ。フィンランドでは廃棄物を地中に1万年埋めて処理し、日本でも六ヶ所村の埋設センターに300年間埋める。日本は1000兆円という大借金を作った。それはわれわれの飲み食いの若い世代へのツケ回し。それにプラスして、汚れた国土もツケ回しするのではあまりにも無責任だ。

原発というテクノロジーからは手を引くことだ。それではエネルギー不足になると、供給サイドがとかく議論されがちだが、需要サイドこそ、節電を超えたエネルギー消費抑制、それも今の半分、さらには5分の1にすることを考えるべきだ。そうでなければ日本に未来はない。コストをはじめとして、削減は日本のお家芸。松下幸之助は「3%のコスト削減は難しいけれど、30%はできる」として実行した。視座や発想を変えて取り組むことが大事だ。

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