TBS「Eye Love You」韓ドラ要素てんこ盛りの勝算 初回視聴率5.5%だったが、SNSで大きく話題に

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第1話の世帯視聴率5.5%(個人視聴率3.2%)は、前期同枠『マイ・セカンド・アオハル』の世帯同5.7%(個人同3.3%)からは落ちるが、まずまずの合格点といったところではないだろうか。

一方、SNSでの好意的なリアクションが多いことは、一定の韓ドラファン層にアプローチできていることを示している。まだまだこの先の展開次第で口コミが拡散していくポテンシャルを十分有していると見ることができるだろう。

内容部分では、チェ・ジョンヒョプは子どものような無邪気さのあるかわいらしさと、言葉の理解が及ばず戸惑ったり、切なさそうにするときの愛らしさなど、韓ドラの韓国俳優の真骨頂といえる魅力を日本の連ドラでしっかりと体現していた。

この先、話が進むなかで、日本の俳優とはまた違うそのキャラクター性を新鮮に感じて気づきを得たりする新たな韓ドラファンが生まれてくるかもしれない。

また、第1話のラストは、周囲に木がないビルの屋上に、降り積もるはずもない一面の落ち葉を2人が一緒に掃除するなか、侑里のドジで落ち葉がなぜか屋上全体に紙吹雪のように舞い上がり、意図せずふいに2人が急接近してしまうベタなシーンもあった。そんなツッコミどころ満載の強引なシチュエーションも、日韓ラブコメならではのお約束的な、くすっと笑えるポイントなのだろう。茶化しつつ楽しむのも1つの視聴スタイルになるに違いない。

壁を乗り越える2人の姿に共感

その一方、侑里とテオの心が少しずつ近づいていく出来事が続くなかで、チョコレートショップの社長である侑里の仕事に重ねた、人生の甘さと苦さがしっかりと映し出されていた。演出のおもしろおかしさのなかに、物語に込めるメッセージ性もきちんと響かせている。

恋愛ドラマは、2人の間の壁を乗り越える姿やその感情が共感を呼び、幅広い層に響いて大きく化けることがある。

近年でも『silent』『First Love 初恋』『大恋愛~僕を忘れる君と』などの純愛物語が世の中的な話題になっているが、本作も第1話で描かれた侑里とテオの間の言葉と文化の壁や、テオの純粋すぎる真っ直ぐな人間性が特殊な力を持つ侑里の心を揺り動かす過程などから、そのポテンシャルがありそうに感じる。

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