TBS「Eye Love You」韓ドラ要素てんこ盛りの勝算 初回視聴率5.5%だったが、SNSで大きく話題に
明るく人懐っこいテオは勉強中の日本語を話すが、漏れ聞こえてしまう心の声は韓国語なので、侑里には意味がわからなかった。しだいに太陽のように明るくストレートなテオの存在が、恋愛に対して閉ざされた侑里の心を解かしていくファンタジック・ラブストーリーになる。
第1話は、韓国語のナレーションできれいな海と半島の風景からはじまる韓ドラらしいオープニングではじまった。
冒頭のキャラクター紹介的に映し出される侑里は、仕事場で興奮すると気性が荒くなるアクティブな女性で、空腹になると怒る。これも韓ドラによくある主人公に寄せている印象がある。
明るくて元気なテオは、素直で周囲からかわいがられ、恋愛に対して真っ直ぐでピュアな性格。こちらも韓ドラでよく出てくるかわいらしい好青年だ。
一方、ロケーションが日本であることのほか、ドラマのテンポや効果音など、細かな演出は日本の連ドラを踏襲している。
また第1話の後半では、特殊能力を持つに至った侑里の過去の心の傷が明かされるとともに、なかなか主張ができない日本人女性らしい性格もにじみ出ていた。全体的に日韓ドラマ両方の特徴をバランスよく取り込もうとしている印象を受ける。
韓ドラ好きはジャンルごとにわかれる
昨年の『NHK紅白歌合戦』ではK-POPアーティストが数多く出演したり、コロナ禍では『愛の不時着』や『梨泰院クラス』『イカゲーム』といった韓国ドラマが国民的ヒットになっていたが、基本的に韓国エンターテインメントは音楽やドラマなどジャンルによってファン層がわかれる。
またドラマにおいては、『冬のソナタ』から『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』といった純愛ラブストーリー、『猟奇的な彼女』から『応答せよ』シリーズなどのラブコメ、『シグナル』『ボイス』など刑事サスペンス、『SKYキャッスル』『ペントハウス』などの破滅的愛憎ドラマなど、さらに細かくファン層がわかれる。
こうしたジャンルごとでの話題作は生まれているが、一般層へブレイクスルーした『愛の不時着』や『梨泰院クラス』に続く、スーパーヒットはこの数年生まれていない。
そう考えると、純愛ラブストーリーとラブコメの視聴者層と近い『Eye Love You』の韓ドラファンの取り込み見込み規模は、もともとそれほど大きくはないだろう。
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