みんな凸凹で当たり前、目指すは"一流のチョコ" 久遠チョコレートは社会貢献ブランドではない

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

福祉関連のイベントだから、ある程度はそういう話も出てくるだろうなという予測はついていた。それにしても、僕らを頭から「社会貢献ブランド」「障がい者の就労支援」と捉えていることに違和感を感じたのも事実だ。

そこで冒頭で「僕らはただのチョコレート屋です」と自己紹介。「大変なところはどこですか?」という問いには、「人は一人ひとり違って凸凹があるのですから、一緒に何かしようとするとうまくいかないこともありますよね」と答えた。

「どんな感動がありますか?」という問いかけには、「そういう違いを乗り越えて理解し合い、一つの目標を成し遂げたら誰でも感動します。そこに障がいがあるかないかは関係ないと思います」と答えたのだった。

茶葉の粉砕作業をする重度障がい者
重度障がい者も、特製粉砕機で茶葉の粉砕に励んでいる(写真:『温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来』)

すると司会者は戸惑い、客席にいた障がい者を支援する社会福祉法人の方々、イベントをサポートしているクライアント企業の関係者などをザワつかせてしまった。予定調和をぶち壊して申し訳ないと思ったのだが、久遠チョコレートの本当の姿を知ってもらいたいと思ったのだ。

「一流になってください」重い一言

考えさせられたのは、もっとチョコレート屋としての「一流」を目指さなければ、ということだ。

久遠チョコレートが「社会貢献ブランド」ではなく、チョコレートの「一流ブランド」として扱われるようになった時が、僕が目指す「凸凹ある多様な人たちがそれぞれに活躍し、稼げる社会」が当たり前になる時だと思うからだ。

一流を目指さなければ、という思いを強くした出来事がもう一つある。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事