半導体業界が「就活生」に硬軟自在の猛烈アピール 展示会には企業ブースツアーやグラドルが登場

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会場のメインエリアには各企業の展示ブースが並ぶ一方で、全国の大学や高等専門学校(高専)が出展する大規模な学生向けエリアも設置。エリア内では、就活生向けにさまざまなイベントが開催されていた。

半導体とeスポーツがテーマのセッションはその一つだ。eスポーツ選手でグラビアアイドルの伊織もえさんなどが登壇し、参加者と人気FPSゲームで対決。半導体の性能がゲームのグラフィック描画性能に与える影響を身近に感じられる内容だ。

セミコンでの伊織もえさん
伊織もえさんが人気ゲームの「Apex Legends」で参加者と対戦。業界や技術の動向などお堅いテーマの講演が目立つ中で異色の企画だった(写真:SEMI Japan)

冒頭の「ブースツアー」も就活生向けのイベントだ。メインエリアにある個別企業ブースを学生が一人で回るハードルはなかなか高い。そこで、観光ツアーのように特定の企業ブースを担当者が同行して案内するようにした。

ブースツアーが対象とする企業は30社以上。半導体メーカーをはじめ装置・材料メーカーやソフトウェア関連など業種は幅広い。学生はグループごとに分かれて4〜5社のブースを回る。延べ200名以上が参加した。

イベントに訪れた就活生の横顔

半導体業界を志すのはどのような学生か。半導体製造装置で世界的メーカーの東京エレクトロンの採用者をみると、「大学院修士卒・理系・男性」が半数を占める。

東京エレクトロンの2024年卒採用者の内訳

ただ、セミコンに参加した学生のバックグラウンドを聞くと、そのような紋切り型な説明はできない。

「文系の学部なんですが、日本のモノづくりに携わりたいという思いがあって。就職情報サイトからの案内メールを見て参加しました。今日は東芝デバイス&ストレージのお話を楽しみにしています」

そう話した男性は目を輝かせていた。大阪の高等専門学校に在籍しているという別の学生に声をかけると、こちらもお目当ての企業があるという。

「普段はソフトウェアを作っていますが、製造装置メーカーを中心に見ています。今いちばん気になっているのはディスコです。社内通貨制度を持っているなど独特な企業文化がおもしろいので。でも、ほかの企業も積極的に見るようにしています」

ディスコといえば平均年収が1000万円を超える企業としてメディアで着目されることが少なくない(4ページ目以降に「半導体関連企業の年収トップ50」ランキングを掲載)。だが、関心を向けるのは社内通貨制度というように、学生の企業に対する理解も進んでいる。

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