ウェンディーズ「外国人向けLセット」成功の理由 人気の「マッシュルームバーガー」を進化させた

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同チェーンではコロナ禍中はほとんどの店で閉店時間を早めた。食生活が変わり、夜間、飲み歩く人が減ったということから、今もそのままになっている店舗も多い。東京、大阪、京都などの一部店舗でのみ、夜間や深夜帯の営業を復活させているそうだ。

「われわれにとっては意外な感じもあるが、外国人には旅行中でも(おなじみの味である)バーガーを食べたがる人は多い。しかも、深夜でもガッツリ食べる。そうしたニーズに向けて商品開発を進めた」(紫関氏)

トリュフバーガー開発までの道のり 

トリュフバーガー開発までには、3回の紆余曲折がある。

前身ならぬいわば「先祖」のような商品が、2023年4月に発売された「ウェンディーズバーガーUSA 」のダブルorトリプルとLポテト、ペプシorビールのセット(ダブルの料金でペプシセット1410円、クラフトビールセット1750円)。ところが売れ行きが思わしくなく、6月に、ビールとのセットを廃止、ウェンディーズバーガーUSAのシングル、スパイシーチキンフィレバーガーUSAをラインナップに加えた。いずれも、インバウンドの利用率が高い12店舗に限っての販売だ。

しかしここまで業績としてはパッとしなかった。

成功と言える売り上げを得られたのが、第3弾の「ステーキハウスチーズバーガーダブル」とLポテト、Lペプシのセット。1650円という高価格だったが、想定を10%上回る実績で販売できた。

「高価格帯バーガーは需要がある」と確信した紫関氏。「ダブルバーガー、Lサイズポテト、Lペプシ」という条件を踏襲したうえで、まったく新しい商品として開発されたのがトリュフバーガーだったわけだ。

売れ行きのほどはどうなのだろうか。

マーケティング部部長の戸田祐介氏によると、ビーフ、チキンフィレを合わせて平均で1日に10セット。売り上げのよい店で日に20セットという実績だそう。これは、ステーキハウスのセットの約1.4倍の売れ行きで、想定を約8%上回るという。

「感触としては、想定より少しいい、という程度。しかし、発売後勢いが落ちていないところに期待が持てる」(戸田氏)

インバウンドだけでなく日本人にも支持され、しかも評価が持続しているとみられる。

実績を受け、12月7日から販売店舗を14店舗拡大し、拡大店舗については単品売りも開始。さらに2024年1月11日からは、シングルバーガー(単品で1300円、チキンフィレは1000円)の取り扱いも始めた。

ウェンディーズ・ファーストキッチン六本木店の店内。ウッディ調のしつらえに、壁にはロゴを大きく配し、アメリカの雰囲気を演出(撮影:尾形文繁)
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