ウェンディーズ「外国人向けLセット」成功の理由 人気の「マッシュルームバーガー」を進化させた

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ウェンディーズ・ファーストキッチンが2023年11月に新発売した「トリュフ&マッシュルームメルトバーガーダブル」(Lセット価格2350円)。人気のマッシュルームに、トリュフをダブル遣いした、味も値段もリッチな商品(撮影:尾形文繁)

同商品は、マッシュルームメルトバーガーをベースに、パテをダブルにしたうえ、刻んだ黒トリュフソースと白トリュフオイルと、こちらもダブル遣いでトリュフらしいぜいたくな香りを強調したバーガー。

パテをチキンフィレに変えた「トリュフ&マッシュルームメルトチキンフィレバーガーダブル」(Lセット価格2050円)と2種類を、新宿南口店、六本木店など東京・大阪・京都の12店限定で発売した。

トリュフバーガー開発のヒントとともなったのが、秋冬の定番商品マッシュルームメルトバーガー(750円)。プラス440円のドリンクとウェンディーズチリのセットで注文されることも多いとか(撮影:尾形文繁)

ウェンディーズ・ファーストキッチンのマッシュルームメルトバーガーはもともとアメリカのレシピで、日本では2015年に発売。その名のとおり、とろけるような味と食感が人気で、この商品の販売期間における全客数の、およそ1割が購入する冬場の定番となっている。

新たなトリュフバーガーでは、たっぷりのチーズとマッシュルームに、さらにトリュフが加わることで濃厚さが増している。嗅覚から感じる濃厚さなので、しつこくなく、奥行きが出た感じだろうか。トリュフソースに加えてトリュフオイルを使ったことで、味と香りが長持ちするという。

実際、購入後1時間かけて持ち帰ったが、トリュフの香りは梱包していても電車内で周囲の目が気になるほど。帰宅後に食するまで持続していた。

なぜLセット一択なのか

なお、ビーフパテとチキンフィレでは、揚げてあるチキンのほうがより食べ応えがある。もともとダブルバーガーにLサイズのポテトの組み合わせなので、1人で全部食べ切ると相当お腹がいっぱいになる。

ゆえに気になるのが「なぜLセット一択なのか」という点だ。

これには今回発売された商品の辿ってきた紆余曲折が関係している。

開発のきっかけとなったのは、コロナ明け、増加するインバウンドに向けたディナータイム商品だったそうだ。

とくにインバウンドターゲットの商品開発を進めたわけについて、ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン代表取締役社長の紫関修氏は次のように説明する。

「2023年のゴールデンウィーク明けからインバウンドが増加し、既存店売り上げも、過去最高の2019年比よりはるかに上がった。とくにインバウンドの需要が高まるのがディナー時間帯と深夜だった。旅行中だと生活時間がいつもと違うためか、夜10時頃にお腹を空かしてフラフラと出てくる人がいる。宿泊先近辺にやっている店が少なく、また当社のようなチェーンには安心感もあるということで、来店が増えたと考えられる」(紫関氏)

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