【産業天気図・電子部品】前半は拡大続くも、後半は不透明感強い。円高もリスク

電子部品業界の景況は回復傾向にあり、06年度上期は引き続き拡大が見込まれる。ただ、06年夏から下期以降は不透明感が強く、業界内にも慎重な見方が多い。 
 電子部品の受注・出荷は05年春を底に回復歩調にある。電子情報技術産業協会の電子部品グローバル出荷統計によれば、05年12月まで10カ月連続で対前年比プラスを記録。品目別で見ると、コンデンサーやスイッチ、コネクターといった主要製品が昨年末にかけ前年比20%前後の伸びを見せ、光ピックアップや磁気ヘッド、小型モーターも同様に好調。携帯電話用ブルートゥースモジュールなど高周波部品が急成長し、電源部品なども拡大基調。地域別には、特に中国・アジアの伸びが大きい。
 今後も当面は堅調展開が続きそうだ。国内外景気の拡大が持続しているうえ、今年2月の冬季五輪に続き、6月のサッカーW杯とビッグイベントもあって、薄型テレビを始めとしたデジタル家電が好調。ノートブック型パソコンが伸び、携帯電話も拡大が続いている。製品価格の下落から部品にも値下げ圧力は強いが、数量増でカバーする形だ。
 村田製作所<6981.東証>では「薄型テレビにしても、従来のブラウン管テレビに比べてコンデンサーやノイズ対策部品など部品をケタ違いに多く使用するため、現状、生産が注文に間に合わない状態。通常落ち込む12月から2月も高水準を維持しており、今後も当面拡大が見込める」(幹部)。
 ただ夏以降は、イベント後の景況に不透明感もあり、程度の差こそあれ、一昨年のアテネ五輪後のような在庫・生産調整の再来が不安視される。携帯電話、PC、デジタルAV向けLSIが回復傾向にあるローム<6963.東証>でも「来上期は回復が続きそうだが、下期はクエスチョンマーク。電機製品が売れるのか、見通しづらい」(幹部)と見る。円高や米国景気の減速、金利上昇といったリスク要因もある。日本電産<6594.東証>のように、05年度については中型モーターが鋼材や銅・アルミの高騰で赤字に陥り、全体でも小幅営業増益にとどまるなど、素材市況の動向も気になるところ。価格下落圧力も強いため、06年度通期の業界全体の利益成長率としては、さほど高くは見込めそうにない。その中で独自の新商品を持ち、価格競争力に優れた社が比較的高い成長を遂げるだろう。
【中村稔記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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