"後継者"ニケシュを口説いた孫正義の招聘力 ソフトバンクに超一流が集まるワケ

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新生「ソフトバンクグループ」は、グループ会社全体のマネジメントが主たる業務になってくる。この会社の経営者に孫正義が期待するゴールは極めて大きい。

なぜなら、ソフトバンクが世界一の企業になることが孫正義の最終的なゴールだからだ。そしてそのために孫正義がはるか昔からベンチマークしている企業は、世界最大級の投資ファンドであるフィデリティ・インベストメントであり、インターネット企業として世界に君臨するGoogleだったのだ。これらの会社を超えることが、ソフトバンクが世界一の企業となるために必要なのだ。

そして、孫正義がベンチマークするこれらの会社で実績を上げてきたのがニケシュ・アローラだったのだ。まさしくグローバルなIT企業グループを経営するために孫正義の求める経歴と能力を絵に描いた人物こそ、ニケシュ・アローラだといえるだろう。

これまでに孫正義が招聘した大物たちとその活躍

実は、孫正義は成長するために必要な人物を適切なタイミングで口説き落として、ソフトバンクに招聘している。孫正義には企業の成長ステージごとに必要なパートナーがわかっているのだ。

このようなパートナーはマウンテンガイドのようなものだ。マウンテンガイドとは、高度な登山技術を有し、その山の自然環境や登山ルートを熟知していて、登山者と一緒に山に登りガイドしてくれる人のことだ。マウンテンガイドがいれば、登山者は安全に苦労少なく山に登ることができる。孫正義は、ソフトバンクが登るべき山を決めると、そのようなマウンテンガイドを適切なタイミングで招聘してきたのだ。

1995年からは野村證券出身の北尾吉孝をソフトバンクのCFOとしてスカウトしている。そのときの口説き文句は「北尾さんが来てくれたら、ソフトバンクは飛躍できるのです」だった。そして、ソフトバンクのCFOに就任した北尾は4800億円という巨額の資金調達を成し遂げ、その後のソフトバンクのアメリカでの投資の原資となった。

その後、2000年には元富士銀行副頭取で安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)会長であった笠井和彦をCFOとして招聘している。孫自身が定年になる笠井氏を直接、口説いたのだった。これ以降、ソフトバンクは次々と巨額の資金調達を行い、大型買収を次々と実現していく。2004年には3400億円で日本テレコム、2006年には1兆7500億円でボーダフォン日本法人、2012年には1兆8000億円で米スプリント・ネクステルの買収を実現している。

次ページなぜ孫正義は人材のリクルートに失敗しないのか?
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