孫正義氏の"懐刀"が明かす最強の投資術

「ベンチャー投資家は将来を感じ取れ」

 週刊東洋経済4月4日号の第3特集では、合計10ページの「ベンチャー投資の舞台裏」を掲載した。ベンチャー企業の資金調達額やIPO(新規株式公開)件数が増え、久方ぶりにベンチャー業界は盛り上がっている。一方でスマホゲーム会社gumi(グミ)のように、期待されながらIPO直後に業績を下方修正する”残念”なベンチャーも散見される。
 有望なベンチャー企業をどう見抜くべきか――。その点で最強の投資家と言えるのが、ソフトバンクの孫正義社長だ。ソフトバンクは昨年9月に株式の32.59%を出資する中国EC最大手のアリババ・グループ・ホールディングがニューヨーク証券取引所に上場したことで、一時10兆円の含み益が発生した。ほかにも1990年代に米ヤフーやトレンドマイクロへの投資に成功し、抜きん出た実績をたたき出している。最近では、元グーグルCOOのニケシュ・アローラ副会長を軸に、インドや東南アジア企業へ盛んに投資を行っている。
 そんな孫社長の投資業を傍らで支えているのが、2000年に設立されたソフトバンク100%出資の投資子会社「ソフトバンク・ベンチャーズ・コリア」でCEOを務めるグレッグ・ムーン氏だ。
 ムーン氏は孫社長との付き合いが15年以上に及び、ソフトバンク幹部の中でも指折りの付き合いの長さがある。いわば”懐刀”と言える存在だ。同氏が現在注目する分野は何か、韓国の投資環境はどのような状況なのか。特集の拡大版インタビューをお届けする。

最もよいパフォーマンスだったのはヤフーコリア

――これまで、どのような会社に投資してきたか?

われわれはソフトバンクの100%子会社で、2000年の創立から累計で175社に投資してきた。うち8割が韓国の企業で、残りは主に東南アジアの企業だ。日本でも知られているオンラインゲームのネクソンなどに投資していたが、ゲームはポートフォリオの10%程度。ICT(情報通信技術)が主な領域で、中でもさまざまなカテゴリーの企業が対象で、半導体やデバイス系の会社にも出資している。

最もよいパフォーマンスだったのは、金額ではネクソン。初期投資が400万ドルだったが、リターンは6000万ドルだった。率で言えばヤフーコリア。20万ドルの投資が4500万ドルと225倍のリターンになった。孫社長はもっと大きくて、数字のケタが違う(笑)。

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