「節電しないと今夏、大停電」はウソ、火力・新エネルギーで電力需要は賄える


風力で原子力を賄える?

とはいえ、原子力の代わりに石油を使った火力発電量を増やすことは、二酸化炭素(CO2)の排出量の増加にもつながる。こうした中、新たなエネルギー源を模索する動きも出そうだ。

風力発電の発電量ポテンシャルは19億キロワット--。4月末、環境省が発表したある調査結果が、関係者の度肝を抜いた。タイトルは「再生可能エネルギーポテンシャル調査」。風力や太陽光など日本における再生可能エネルギーの潜在発電力を試算したところ、風力発電は現状の約760倍という驚愕の結果が出た。

もっとも、日本風力発電協会によると、潜在力が高い地域は北海道や東北で、可能な設備容量なども加味すると、「50年までに2500万~3000万キロワットというのが妥当な数字」(斉藤哲夫企画局長)。加えて「補助金がなくなってからは風力の採算は厳しい」(電力会社)。ただ、足元では電力の買い取り制度の見直しも進んでおり、今後、利用が伸びる潜在性を秘めている。仮に2500万キロワット発電すれば、100万キロワット程度の出力を持つ原発の25基分に相当する。

火力発電所や新エネルギーで電力消費が賄えてしまえば、原発の必要性は一段と訴えにくくなる。「反原発」「脱原発」の波が全国的に広がる中、電力政策は今夏、新たな岐路を迎える。
(週刊東洋経済2011年6月11日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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