JAL機と海保機が衝突し羽田炎上、経営への影響度 Uターンピークの事故で空港大混乱、広がる余波

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北海道に向かう別便に乗って誘導路上で足止めされた外国人は、「ボンっと音がして、燃え盛る機体を目撃した。飛行機がターミナルに引き返してくるまで2~3時間かかった」と疲れ切った表情で話した。

その後、21時30分頃からJAL便の乗客が一人またひとりと空港ロビーに現れた。前述の女性の出迎えを受け、安堵の表情を浮かべた50代の男性会社員(女性の夫)が機内からの脱出の様子を語った。

スライダーで緊急脱出する乗客。火が回らないうちに避難していた(写真:乗客の山家聡さん撮影)

「普通に着陸して衝撃は感じなかったが、真横でエンジンが火を吹き始めた。CAさんから『落ち着いてください』と言われてスライダーで順番に飛行機を降りた」

「一部の人は慌てていたが、ほとんどはスムーズに降りていった。パニックはなかったが、少し悲鳴はあがっていた。お子さん、女性の方は不安だったと思う。室内灯は点灯していたが、振り返ってみたら、奥のほうが煙でもやっとしていた」

JALによれば、脱出時にはアナウンス機器が動かず、客室乗務員が肉声とメガホンで乗客を案内、誘導したという。安全な脱出口を判断し、3カ所から数分で全乗客を無事に脱出させた。

JAL「着陸許可は出ていたと認識」

1月2日、国土交通省で記者会見する平岡成哲・国交省航空局長(中央)と瀬口良夫・海保次長(左)ら(記者撮影)

なぜ滑走路上で衝突事故が発生してしまったのか。

「かけがえのない職員の命を失ってしまったことは痛恨の極みである」。1月2日夜に国土交通省が開催した会見で、海上保安庁次長の瀬口良夫氏は一礼をした。

事故の原因については、「確認中」と明確な回答を避けた。同日、続けて国交省内で行われたJALの会見で青木紀将常務執行役員は、「(管制からの)着陸許可は出ていたと認識」していると説明した。

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