JAL機と海保機が衝突し羽田炎上、経営への影響度 Uターンピークの事故で空港大混乱、広がる余波

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影響は翌3日にも及んでいる。JALと全日本空輸(ANA)をはじめ多くの国内エアラインが一部運航便の欠航を決めた。年始のUターンピークに欠航となっただけに交通網は混乱している。

また、3日現在も滑走路上には大破した機材が残っており、事故が起きたC滑走路の運航再開のメドはたっていないとJAL側は説明している。

1月2日、事故後に全便欠航となった羽田空港の電光掲示板(記者撮影)

JALは短時間で乗員・乗客の脱出に成功した。一方で、エアバス製の主力機材「A350-900」を1機失った。今後の運航や経営への影響はどの程度あるのか。

主力機材を失ったJALの「マイナス影響」

2日の会見で青木常務は、「供給面でのマイナス影響はある」と語っている。というのもA350‐900は、JALの国内線機材の中では最も大きい機材で座席数は最大391席を誇る。

羽田と福岡や新千歳、伊丹を結ぶ路線など国内の主要路線に投入してきた。そのほかの国内線機材の座席数は300席未満である。

また競合であるANAは1月10日からプラット&ホイットニー製のエンジン不具合問題を受け、一部機材の運航を停止する。3月30日までは国内線の3.9%が減便予定となっている。

2023年10月に開催された決算会見で斎藤祐二取締役専務執行役員は「(ANAの)供給が減っていくことがあれば需給は引き締まる。(JALにとって)収入のアップサイドが見込める」とコメントしていたが、状況は変わってしまった。

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