ゴルフ用品市場、11年は2ケタ減の苦境、業界を挙げた連携策が必要に

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「話題の新製品がいくつかあったので、今年の春商戦は期待していたのだが……」(紫関修・ゼビオ執行役員)

業界関係者の期待を打ち砕いた東日本大震災。ゴルフシーズン到来前の3月から5月にかけては、本来なら用品市場の書き入れ時。出ばなをくじかれたショックは大きかった。

業界動向に詳しいゴルフ用品界社の片山哲郎社長は「震災があった翌週の月曜、流通の知り合いに電話をかけたらかなり焦っていた。ある外資ブランドは、海外本社に昨年対比で5割減になると報告したくらい。あの時点で冷静な判断は無理。悲観論が大勢だった」と振り返る。

矢野経済研究所によると、2010年のゴルフ用品市場規模(見込み)は2654億円(左ページ表、メーカー出荷金額ベース)。縮小傾向にあるとはいえ、ゴルフ用品はスポーツ用品合計1兆2863億円の約2割を占める一大ジャンルである。

では、今回の震災で市場規模はどう変わるのか。

矢野経済研究所では6月3日、11年の修正予測を表した(下表)。これによると、11年のゴルフ用品市場は当初の横ばいから前年比15・9%減の2232億円へと大きく下方修正された。スポーツ品全体では2%増から約8%減への下方修正。ゴルフの落ち込みは突出している。

調査を担当した主任研究員の三石茂樹氏は「ゴルフはほかのスポーツと比べて、精神的にも金銭的にもゆとりがあるときにこそ楽しめるという特性がある。09年のゴルフ市場は8・5%減だったが、高反発ドライバーの需要反動減とリーマンショックがあったから。15%以上のマイナスは過去にない」と話す。

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