東電、原発賠償2年分の一括支払いを提案 

商工業の営業・風評被害に

 6月7日、東京電力は、福島第1原発事故によって発生している営業損害と風評被害に対する商工業者向けの賠償について、年間逸失利益の2倍相当額を一括して支払う意向を示した。写真は2011年6月、都内で撮影(2015年 ロイター/Yuriko Nakao)

[福島市 7日 ロイター] - 東京電力は7日、福島第1原発事故によって発生している営業損害と風評被害に対する商工業者向けの賠償について、年間逸失利益の2倍相当額を一括して支払う意向を示した。同日、福島市で開催された「福島県原子力損害対策協議会」の全体会議で提示した。

同会議には、福島県の内堀雅雄知事、高木陽介経済産業副大臣、東電の広直己社長のほか、福島県の各自治体や農林水産・商工業各団体の幹部、医療・福祉関係者など100団体が参加。広瀬社長が賠償に関する新たな提案を行った。

東電と経済産業省は昨年12月、商工業者向けの営業損害と風評被害に対する損害賠償について、2016年2月までと提案したが、地元側の猛反発を受けて再検討するとしていた。東電はこれまでに営業損害に伴う逸失利益4年分を支払っている。

5月末に自民党と公明党が安倍晋三首相に提出した「復興加速化のための第5次提言」で、15年度と16年度を「集中的に自立支援策を図る期間」に設定。原発事故に伴う避難により営業休止を追い込まれている民間事業者らの事業再建を促し、損害の解消を図るとした。与党提案を受けて、東電が営業損害などの逸失利益に対する賠償金額を昨年末の提案から1年分上乗せした格好だ。

零細・高齢化で厳しい事業再開 

原発事故の被災12市町村にある約8000の事業者のうち、再開していない事業者は約6700。多くは個人事業主であり、7割以上が60歳代以上と高齢化していることも、再建を難しくしている。

こうした中で、与党提言は放射線量が特に高い「帰還困難区域」を除く避難指示2区域(約5万5000人)について2017年3月までに避難指示を解除するよう、政府に対応を求めている。

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