東電、原発賠償2年分の一括支払いを提案 

商工業の営業・風評被害に

政府側出席者はこの日の会議で、自立支援に向けた官民共同チームを立ち上げて、全8000事業者を個別訪問するなどと説明した。

一方、出席団体の幹部は、「今後2年間で集中的に自立支援施策をするとしているが、かなり厳しい」(福島県商工会連合会)、「風評被害と原発の安全性には因果関係がある。いままでの東電なら信頼が置けない」(福島県旅館ホテル生活衛生同業組合)などと不安や不信感を訴える発言が相次いだ。

知事、被害あれば賠償継続を

福島県の内堀知事は、2年間で事業再建、生活の再構築などを進めるとする政府の説明について「達成されなければ、この枠組み自体成り立たない」と指摘した。

これに対して高木経産副大臣は、「この2年間は、被災者が生活できるような環境(整備)、除染を行っていく目標。集中的に自立支援して、賠償を行った上で、なおも原発事故の相当因果関係のある損害がある場合は、事業者の環境や状況を聞きながら対応したい」と述べた。

内堀知事は、広瀬社長に対して、「損害がある場合は賠償を継続するのか」と質した。広瀬社長は「損害がある以上、相当因果関係があり合理的な範囲で(賠償を)出していくことに変わりない」と答えた。

与党提言は、避難指示解除を求めた避難指示2区域からの避難者への精神的損害に対する賠償(慰謝料)ついて、18年3月までに一律で実施することを国が東電に指導するよう求めている。広瀬社長は「精神的損害については、鋭意検討してできるだけ早く示したい」と述べた。

帰還促進に当たって、政府は空間線量率で推定された積算放射線量が年間20ミリシーベルト以下になることを避難指示解除の条件としているが、これについては「高すぎる」との不安の声が根強い。

全体会合では、医療機関・福祉施設団体の関係者から、「20ミリシーベルトは緊急時のやむを得ない目安だ。徹底して福島県からセシウムを取り除く政策がなければ、帰還といってもだれも信用しない。国や東電は、戻らない人を切り捨てると言っているに等しい」と厳しい批判の声が上がった。

会議終了後に記者団の取材に応じた高木経産副大臣は、「切り捨て」との指摘について、「移転先で事業再開する場合についても手厚く応援するのが国の方針だ」と反論した。

 

(浜田健太郎)

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