ホンダ「N-BOX」新旧比較、価格アップが懸念材料 2代目と新型となる3代目、意外と類似点も多い
また、5:5分割式の2列目シートは、足元に収納できるダイブダウン機構を備え、左右の背もたれを前に倒せばフラットな荷室空間を作ることが可能。自転車など大型の荷物も積載できる。さらに座面を背もたれ側に跳ね上げるチップアップ機構を使えば、鉢植えなど背が高い荷物の積載にも便利だ。ほかにも、2列目シートは、左右それぞれを前後に190mmスライドする機構も装備し、大人から子どもまで、後席乗員の体格に応じた位置設定が可能。大人4名でもゆったりと座ることのできる室内空間を演出する。
ちなみに、室内サイズは、新旧でやや変更されている。先代モデルが長さ2240mm×幅1350mm×高さ1400mmだったのに対し、新型は長さ2125mm×幅1350mm×高さ1400mm(いずれもスロープ仕様を除く数値)。新型は、長さのみ115mmほど短くなっているが、そのぶん、後席ショルダールームを55mm拡大するなどで、とくに後席の居住性を向上させている。
パワートレインは基本的に変更なし
搭載するパワートレインも新旧同じだ。いずれも、NA車に658cc・水冷直列3気筒(S07B型)を搭載し、最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65N・m(6.6kgf-m)/4800rpmを発揮。同じエンジンを採用するターボ車のスペックは、最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgf-m)/2600rpmだ。
ただし、タイプにもよるが、新型の燃費性能は若干向上。例えば、2WD(FF)の場合、NA車が21.2km/hから21.6km/hへ、ターボ車は20.2km/hから20.3km/hにアップしている(いずれもWLTCモード値)。また、新型はCVT(無段変速オートマチック)制御も改良され、変速がよりスムーズになっている。
筆者は、実際に新型モデルに試乗したが、例えば、前方の信号が赤になり、早めにアクセルをオフにし、停止位置まで惰性で走るときに変化を実感した。先代モデルでは、そういった際、ある程度速度が落ちると変速(無段変速のCVTでは擬似的シフトダウン)のショックをわずかに感じたあと、グンッと速度が落ちることもあった。一方の新型は、そうしたショックや急な減速はなく、停止位置までゆるやかに速度を落としていく感じだ。速度の落ち方がよりスムーズになったことで、車体の姿勢変化も少なく、快適性が増した印象だった。
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