阪急「指定席車」迎え撃つ京阪プレミアムカー戦略 大阪と京都を結ぶ鉄道大動脈に強敵が出現

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神戸・宝塚線の新型通勤車2000系とともに、京都線には新型特急車として2300系を新造し、2024年夏から順次、営業運転に投入する。2013年以来11年ぶりのモデルチェンジで、伝統のマルーンカラー、木目調化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席など“阪急電車”のイメージを継承しつつ前面窓ガラスに曲線を取り入れ、疾走感を醸すデザインに変更、安心や快適性のアップを目指してバリアフリー設備の充実、省エネルギー性の向上、セキュリティ面の強化を図る。PRiVACEは、こうした京都線新特急車2300系の大阪方から4両目に連結されると言う。

京阪線と阪急京都線は、ときに国鉄~JRの東海道線(JR京都線)も交えて耳目を集める競合関係にある。京阪の旧3000系特急車は1971年登場、阪急の6300系は1975年、京阪8000系は1989年……。京阪が2階建て車を旧3000系編成からスタートさせたのは1995年、その後、阪急は2003年から9300系新特急車を導入、旧特急車6300を利用して観光向けの「京とれいん」を2011年に運転開始、京阪プレミアムカーは2017年、「京とれいん雅洛」は2019年。互い違いの中に、京阪と阪急はつねに相手の動向に注目していた感が伝わってくる。そして今回、かねて「均質なサービス」を言っていた阪急が有料サービスに乗り出すことは、京阪プレミアムカーをつぶさに研究していたに違いない。

プレミアムカーと対照的なクラシックムード

そうして明らかにされたPRiVACEは、じつに阪急らしいクラシックさを醸す内外装で、モダンに寄ったプレミアムカーと好対照。ホームページに特設されたPRサイトでもカジュアルで身近な感覚の京阪のイメージキャラクター「おけいはん」とは対照的な、エレガントな容貌のモデルがムードを演出している。

『鉄道ジャーナル』2024年2月号(12月21日発売)。特集は「関西の流儀Ⅱ」。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

京都線の特急系列車(特急・通勤特急・準特急)において当初は1時間あたり2~3本でサービス開始、当面は現行特急車9300系に指定席車両を連結する。2025年頃には運転本数は同4~6本に拡大される予定で、車両も新型2300系に統一される。実際の座席、具体的な運転開始日、料金等の発表が待たれるところだ。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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