阪急「指定席車」迎え撃つ京阪プレミアムカー戦略 大阪と京都を結ぶ鉄道大動脈に強敵が出現
その券売機は交通系ICカードはじめ電子決済限定で、キャッシュレスサービスをうたう。だが、スマホ画面を券面とするWebサービスは別(会員制)にあるため、券売機からはレシート状の紙券が発行される。お勧めはされないだろうが、車内購入もいちおう可能。乗務するアテンダントが携帯するタブレットで空席を押さえてくれる。料金は変わらない。
1面2線のホームに立つと、赤と黄色の8000系特急と青い3000系快速急行が並んでいる。現行ダイヤは基本15分サイクル毎時4本の特急の中に、所要時間が異なる快速急行を毎時2本挟むから、ホーム両側にプレミアムカー付き列車が並び、わりと接近した間隔で出発する。
乗降口は金箔を貼ったような華やかさ
3000系プレミアムカーに乗車する。一般席の車両は大きく上下2色の塗り分けだが、赤い8000系ともどもプレミアムカーは車体全体の地色に金帯が走り、見た目にも明らかに区別できる。8両編成中の連結位置は、いずれも大阪側から3両目の6号車。金箔を市松に貼ったような、華やかな、しかし嫌味にならない渋さを備えた乗降口では、アテンダントが当該列車の券の所持を確認しつつ、穏やかに迎え入れてくれる。ドアは8000系では片引き式だが、3000系は両引き式という違いがあり、またドア横の窓の列車名表示は、ガラスの裏側に装置を取り付けたものではなく、ガラス自体が一体の表示装置となっているそうで、文字が鮮明。鉄道ファン的にはそのような点に目が向く。
三条と祇園四条で数人ずつの乗客を増やし、七条を発車すると地上に出る。下りの東海道新幹線が京都駅に到着する直前の地点である。京町家が建ち並ぶ中でカーブを繰り返し、鳥羽街道、伏見稲荷……と歴史の町を行く。近鉄京都線と連絡する丹波橋と宇治線を分岐する中書島に停車、そこまでが京都市内である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら