ENEOS経営トップ、2年連続でセクハラ解任の病理 ガバナンス不全で崩れる「旧・日石」の経営体制
1986年に旧日石に入社した斉藤氏は根っからの「黒」だ。販売企画部長などを歴任し、2022年4月、杉森氏に選ばれる形で社長に就任する。
杉森氏と斉藤氏はともに旧日石の営業部門でのし上がってきた先輩後輩ということになる。斉藤氏選任は「ど真ん中の人事だった」と昨年の社長交代会見で杉森氏は語っている。
ただ「斉藤氏は渡氏に引き上げられた人物で、杉森氏とはもともと畑違い。つかず離れずの関係だった。酒は飲むが性格はまじめで人畜無害。それだけに今回の件には驚いた」とあるエネオスOBは話す。
脱・旧日石の経営体制が進む可能性
エネオスは2024年2月末に4月からの新執行体制を発表するが、それまでは旧東燃ゼネラル石油出身の宮田知秀副社長が社長代行を務める。
最大の焦点となるのは、4月以降の新執行体制だ。次期社長については「人材デュー・デリジェンスが十分だったかを見直したうえで誰からみても大丈夫という人材を選任していきたい」(西岡氏)と言う。
だが、「合従連衡を繰り返してきた石油元売りはまさに伏魔殿。エネオス内部の派閥争いも熾烈」(業界関係者)という中で、その人選は容易ではない。
2017年に経営統合しエネオスに加わった旧東燃ゼネラル石油は外資系の流れを汲むだけに、旧日石のような派手な文化はない。宮田副社長以外、現在の常勤取締役はすべて旧日石出身者だ。一連の不祥事を受け、脱・旧日石が進む可能性も出てきた。
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