深夜の浜松SA「トラック輸送」の現場で見た"奇策" 迫る「2024年問題」、トラック運転手の働き方改革

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浜松サービスエリアは東京インターチェンジ(IC)から224キロメートル、大阪・吹田ICから246キロメートル。所要時間はそれぞれ3時間前後で、ほぼ中間地点に当たる。拠点を構えるには申し分のない場所だった。

コネクトエリア浜松で行われていた中継方法は主に2通り。1つは単に車両を乗り換える方法だ。ドライバーは声を掛け合い、簡単な連絡をしながら、リュックサックなどの手荷物を持って乗り換えていた。

もう1つは荷台を交換する方法だ。トレーラーの場合は、貨物部分の「トレーラー」を牽引する運転席部分の「トラクタ」を切り離して入れ替える。運転席部分と荷台部分を着脱できる「スワップボディ車」の場合も同様の作業を行う。それぞれ、作業はほんの数分で済む。

基本は関東や関西方面から、同時刻を目指して運行する。交通状況によっては到着が前後するため、早く到着したドライバーは荷台の交換の準備を進めつつ、休憩をとって相手を待つ。

トラックドライバーの休憩は原則、4時間ごとに30分以上とるよう厚生労働省の「改善基準告示」で定められている。休憩をとる場所としても、浜松はちょうどいいポイントなのだ。

毎日50台程度が利用

コネクトエリア浜松はNEXCO中日本と地元の遠州トラックが整備し、共同で管理・運営している。開設は2018年だ。ドライバー不足を見据えたものだったが、当時、運送会社の反応は鈍かった。声をかけても「そうですか・・・・・・」と、関心を寄せる会社は少なかったという。

コネクトエリア浜松の0時の予約率はほぼ100%だという。同時刻の浜松SAは休憩中のトラックで満車状態。空きスペースを探して周回するトラックの姿もみられた(記者撮影)

ただし、一部の大手では、協力会社を含めて中継輸送を活用しようという機運もあり、いくつかのグループが利用するようになっていく。1回あたりの利用料金は平均で900~1000円。荷主からコスト増の理解を得るというよりも、自社で利用を決断できる大手が導入していったわけだ。

開業から5年、徐々に利用も増え、現在は毎日50台程度が利用している。収支も黒字に近づいてきたところだという。

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