日本生命、介護の「ニチイ」買収で描く成長戦略 本命の「海外大型買収」には慎重な姿勢が続く

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日本生命とニチイは1999年に業務提携を結び、2001年に共同出資で介護や健康などに関する情報を提供するライフケアパートナーズを設立。さらに企業主導型保育所の展開でも連携しており、関係を深める中でニチイの実情をある程度把握していた。

そのためなのか、今年5月ごろに始まった買収交渉の中で、日本生命が提示した金額はほかの陣営と比べて「低く、1番手ではなかった」(ベインキャピタル関係者)という。ゆえに、資産査定に必要な追加資料を日本生命が求めても、当初はベイン側の反応が薄いという状況が続いた。

それでも粘り強い交渉によって基本合意にこぎ着けたのは、日本生命の介護領域にかける思いが強かったからだ。これが2つ目の理由だ。

不祥事などで先行きに不透明感

そもそも生保業界はデジタル化や根絶できない金銭不祥事などによって、営業職員チャネルの弱体化がかねて指摘され、事業自体の先行き不透明感が増している。

そうした環境にあっては、保険以外のサービスで顧客にどれだけ価値を提供し、社会課題の解決につなげていけるかが今後の競争力を左右する。日本生命としては、「揺りかごから墓場まで」、ライフステージに応じた保険とサービスを総合的に提供することで、存在感を高め事業を拡大していく青写真を描いている。そのパズルに、介護事業への参入というピースがぴったりはまったわけだ。

3つ目の理由は、海外強化に対する社内の温度差だ。

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