日本生命、介護の「ニチイ」買収で描く成長戦略 本命の「海外大型買収」には慎重な姿勢が続く

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ニチイの営業利益は200億円前後で、日本生命の本業のもうけ(基礎利益)6000億円前後と比べても収益への貢献度は小さい。

さらに言えば、ニチイをめぐっては介護などの同業者から「ベインがかなりコスト低減を進めた。利益を出し過ぎているのではないか」という声が聞こえてくる。

ニチイの従業員約9万人に不満のマグマ?

コスト削減のシワ寄せがニチイの従業員約9万人に及んでおり、「現場における不満のマグマがいつ噴出してもおかしくない」(介護事業者)状況だったようだ。

そうした声は当然ながら、日本生命の耳にも入っていたはず。だが、それでも約9万人の「巨大労務リスク」を抱え込むという決断に踏み切ったのはなぜなのか。

ニチイホールディングスの買収に関する日本生命の説明資料(記者撮影)

理由は大きく3つに分けられそうだ。

1つ目は、日本生命とニチイが長年にわたって提携関係にあったことだ。

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