大半の投資家は「天井」の意味がわかっていない 日経平均の年末高はあきらめたほうがいいのか

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では、日米以外の主要市場はどうか。中国国家統計局が12月9日に発表した11月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比、前月比とも予想外の-0.5%で、PPI(生産者物価指数)もマイナス幅が拡大して、同国でデフレ圧力が高まっていることを裏付けた。

だが、すでに香港ハンセン指数はそれに先駆けて12月1日から3営業日連続で年初来安値を更新していた。中国から逃げ出した資金は、日本だけでなくインドなどに向かっているといわれる。実際、同国の代表的指標であるムンバイSENSEX30指数は4日以降、3営業日連続で史上最高値を更新している。

欧州はどうか。14日にはECB(欧州中央銀行)定例理事会を控えるが、ドイツのDAX指数は5日、6日と続けて史上最高値を更新したあと、1日休んで8日に再び最高値を大きく更新した。株価が強いのはドイツだけではない。目立たないが、フランスを代表するCAC40指数も史上最高値まであとほぼ50ポイントに迫っている。

日経平均の3万3000円台は「天井」ではない

「日経平均は3万3000円台が天井になっている」という専門家は少なくない。なるほど、今年に入って日経平均が3万3000円台に滞在していたのは、6月13~22日の8日間、6月28日~7月5日の6日間(7月3日に年初来高値更新)、7月31日~8月1日の2日間、9月5~6日の2日間、9月14~20日の4日間、11月15日~12月4日の13日間。そして、12月6日の1日間だけだ。

合計で36日間となるが、これを見て3万3000円台が堅固な高値抵抗帯で、「ここが天井なのかもしれない」と見る投資家も出てくるかもしれない。

だが、「天井3日」の格言にあるように、もし本当に3万3000円台が天井だとしたら、これだけ長く滞在するはずはない。天井は「過熱」で形容される短い時間帯だ。これほど親しく(?)付き合っている価格帯は、抵抗帯ではあっても「天井」ではない。

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