「首相祝辞で爆睡」吉本新喜劇座長のトンデモ話  さんま、ダウンタウンも評価する間寛平の横顔

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そこから宴が始まり、次第に盛り上がっていった。朝方まで二人でビールを20本くらい飲んで崩れるようにして寝た。

朝、目を覚ますとすでに集合時間を過ぎていた。泥のように寝込んでいる寛平さんを起こして、顔も洗わずタクシーに乗って時代村に駆けつけた。

二人ともとても酒臭かったと思う。ほとんど寝てないので眠くて仕方がない。それでも、秀吉の衣装を着け、づらを付けて寛平さんはオープニングの式典に臨んだ。社長に続き、次々と来賓の大物の挨拶が始まった。

神妙に聞いているように見えて…

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寛平さんは正面の席で心もち頭を下げて堂々と座っている。真剣に話を聞いているように見える。

しかしよく見ると寝ていた。アゴがちょうど胸の甲冑で支えられて、神妙に頭を下げて話を聞いているように見えるのである。後ろの席に座っている千葉真一さんが苦笑していた。

ここで問題が起こった。何番目かにお祝いに駆けつけた福田赳夫元総理が挨拶に立つと、出席者全員が立ち上がった。ところが寛平さんだけは座ったまま寝ている。あわてて千葉真一さんが後ろから寛平さんを引っ張り上げて立たせてくれた。

(後編は12月10日に公開予定です)

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谷 良一 元吉本興業ホールディングス取締役

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たに りょういち / Ryoichi Tani

1956年滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業後、81年吉本興業入社。間寛平などのマネージャー、「なんばグランド花月」などの劇場プロデューサー・支配人、テレビ番組プロデューサーを経て、2001年漫才コンテスト「M-1グランプリ」を創設。10年まで同イベントのプロデューサーを務める。よしもとファンダンゴ社長、よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務、よしもとデベロップメンツ社長を経て、16年吉本興業ホールディングス取締役。20年退任。大阪文学学校で小説修業、あやめ池美術研究所で絵の修業を始めるかたわら、奈良市の公益社団法人で奈良の観光客誘致に携わる。23年、雑誌『お笑いファン』で谷河良一名義で小説家デビュー。

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