決断の時「選択肢は多い方がいい」と思う人の盲点 与えすぎることの弊害を解説、では最適な数は?
実は心理学者のジョージ・ミラーが画期的な研究によって、すでに適切な数を明らかにしている。
ミラーによれば、人間は選択をする際に、およそ7個――プラスマイナス2個――(ミラーはこれをマジックナンバーと呼んだ)の項目を脳に入れておくことができる。
だがこの数を超えると、認知的過負荷の状態に陥り、混乱してまずい選択をしてしまうか、ジャムの実験のように、まったく選択ができなくなってしまうという。
選択に制約を設けることの価値
発明家や芸術家、音楽家などの、きわめて創造性が高いとみなされる人々も、選択に制約を設けることの価値に昔から気づいている。
彼らは形式や構造の中で作品を生み出し、そうした枠を破っては、また新たな境界を設ける。
もし選択が芸術や音楽のように、創造性の産物だというのなら、この創造性の規律が指針になるはずだ。
偉大なジャズミュージシャンのウィントン・マルサリスも、私にこう話してくれた。
「ジャズには何らかの制約が必要なんだ。制約なしの即興演奏は誰だってできるが、それはジャズじゃない。ジャズには何らかの制約が必ずある。そうでなければただの騒音になってしまう」
あらゆる音楽形式の中で「最も自由」なジャズにさえ、制約があるのだ!
(翻訳:櫻井祐子)
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