中国検索「百度」、クラウド事業が初の減収の背景 地方政府の需要減速、生成AIで成長復帰を模索

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百度は生成AIを応用したサービスを続々と投入している。写真は9月にリリースしたマーケティング支援プラットフォーム「軽舸」のウェブサイト

中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は11月21日、2023年7~9月期の決算を発表した。同四半期の売上高は前年同期比6%増の344億4700万元(約7156億円)、非アメリカ会計基準(Non-GAAP)ベースの純利益は同23%増の72億6700元(約1510億円)と、増収増益を達成した。

百度の屋台骨を支えるオンライン広告事業は、7~9月期の売上高が197億元(約4093億円)と前年同期比5%増加。その結果、総売上高から子会社で動画配信大手の愛奇芸(iQIYI、アイチーイー)を除外した「コア事業売上高」に占めるオンライン広告の比率は74.3%に上昇した。

広告コピー案を2分間で100本

「わが社は大規模言語モデル(生成AI)を活用し、オンライン広告システムの再構築を進めている。生成AIによる広告コンテンツの自動作成やターゲティング(ユーザー情報の分析)サービスの導入で、10~12月期のオンライン広告事業に数億元(訳注:1億元=約20億円)の増収効果が期待できる」。百度の董事長兼CEO(最高経営責任者)を務める李彦宏氏は、決算説明会でそう述べた。

百度は独自開発した生成AI「文心一言(アーニー・ボット)」を基盤にした派生サービスを立て続けに投入しており、9月にはマーケティング支援プラットフォームの「軽舸(チングー)」をリリースした。広告コピーの文案100本をわずか2分間、(AIが生成した)バーチャルヒューマンの動画を5分間、それらを組み合わせた広告コンテンツを5分間で作成することができ、すでに1000社超の顧客企業が利用しているという。

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