「走るオフィス」に変貌した、のぞみ号の車内空間 ビジネス席に会議用ブース、EXサービスも進化

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現状、東海道新幹線のビジネスと観光の利用比率は6対4だが、のぞみの平日朝・夜はビジネスの比率がそれ以上に高い。さらにJR東海は東京駅や品川駅、新大阪駅などの主要駅で、リモート会議などが可能なブース型(1人用)やラウンジ型(複数用)のワークスペースも整備している。

S WorkPシートは、リクライニング角度を通常席より小さくしており、旅行帰りにシートを大きく倒してぐっすり寝たい乗客には不満かもしれない。“少しでも隙間時間を仕事に充てたいような”ビジネスパーソンにターゲットを絞った座席なのである。

ワゴンの車内販売が廃止された必然

東海道新幹線の場合、1日当たり列車本数のピークは2019年度だった。コロナ禍明けで回復しているが、実は輸送能力は限界に達しつつある。「今後求められるのは量から質」(JR東海幹部)。そのため効率性を重視し付加価値を高める戦略にシフトする。

10月末には、新幹線が開業した1964年以来続けてきた、車内のワゴン販売を廃止した。背景にあるのは、駅構内の売店やコンビニで事前購入する乗客が増え売り上げが落ちたことや、販売員などが人手不足で集まらなかったことだ。

過去には新幹線にも食堂車やビュッフェがあったが撤退。車内販売も一般業者が手がけていたのを、JR東海の関連会社が担っている。航空機との競争でスピード化が進み、平均乗車時間も短くなったからだが、ゆっくり旅情を楽しみたい向きには寂しいかもしれない。

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