結局、愛されるのは"ずるい上司"だった! 「いい人」なだけでは人を動かせない
こんな例で考えてみましょう。
その丁寧さがアダになっている
「おまえ、あの例の提案の件、準備できたか? いついつまでに、あれをこうして、こうやって、で、完成するように頼むぞ!」
「あ、はい、すみません。わかりました。やっておきます」
そして、数日後。まだ資料は出てきません。
「そういえば、あれ、どうした?」
「すみません、すぐ、やります」
「おいおい、先日教えたじゃないか、あれをこうして、こうやって、いついつまでにやらないとクライアントからクレームが来るぞ!」
さらに数日後。
「おい、例の件……」
「あ、すみません。これからやります」
「……」
できない人や動きが遅い人がチームにいると、上司のあなたがやり方までいちいち指示することが多いと思います。それでも、このあり様……。もう、気持ちが折れてしまいますね。
「ふざけるな、あれだけやり方を何度も説明してやって、自分でもやりますって2週間前に言っただろう」
と、ブチキレたいところを、ここはぐっとこらえて、「いいか、しょうがないな、いまから間に合わせるには、こうして、こうして、こうしないとだな。以下、同様にやってみろ」と、またまた懇切丁寧に説明をし、同じように仕事をさせる。
どこまで教えたらこの部下はきちんと仕事をしてくれるんだろう、とため息をつきたくなります。
でも、その丁寧さこそがあだになっているのです。
こうして説明されたときの部下の心理状態は、どうなっているでしょう? それには2つのパターンがあります。
気持ちはあるけれど、体が動かず、いわゆる金縛り状態になっているのです。
意識的にか、無意識的にか、人は「やれ」と言われたことには概ね心理的に反発します。上から命令されることを嫌がり、下手をすると、上司がどんなに説明をしたとしても、「そのやり方は違うんじゃないの?」と内心思っています。
せっかくあれこれ説明してあげているのに、なんだか苦労が水の泡……という気もちになりませんか。
だからこその「ずるいマネジメント」です。こんなときの、ずるい上司を見てみましょう。
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