持ち帰り用プラスチック容器の規制に伴い、大手ファストフードチェーンのマクドナルドは、2023年6月27日から持ち帰りのドリンクに対して、使い捨てプラスチックに代わる「デポジット容器」を導入した。
デポジットとは「一時預かり金」や「保証金」という意味だ。消費者はドリンク購入時にデポジット容器代として1ユーロ(約163円)を上乗せして支払い、容器を持ち帰る。そして使用済み容器を店舗へ持っていくと、その1ユーロが返金される。
使い捨て容器は1つ「41円」
従来通り、使い捨てプラスチック容器を選ぶこともできるが、この場合は容器代として25セント(約41円)を支払わなければならない。マクドナルドのドリンク容器は紙製ではないかと思われるかもしれないが、内側にプラスチックのコーティングがされているのだ。
つまり、客はマクドナルドでドリンクをテイクアウトする場合、「返却すれば戻ってくる1ユーロを仮払いしてデポジット容器にするか」、「25セント払って、そのまま捨てればいい使い捨てプラスチックにするか」を選択する必要が出てきた。
筆者が来店したときは、やはり注文時にどちらにするかとまどっている人たちもいたが、特に店内で大きな混乱やトラブルになっている様子はなかった。
しかし、マクドナルドで使用されている使い捨てプラスチック容器は、ドリンク容器だけではない。
サラダ容器、飲むヨーグルトのパウチ容器、ポテトやナゲットにつけるソース容器も対象となる。しかもこれらはデポジット容器のような代替手段がないため、消費者は否応なしにプラスチック容器代を払うしかない。これらの製品を注文すると、自動的に容器代5セント(約8円)が加算されていくのだ。
筆者としては、プラスチック削減の気持ちはあっても、一消費者としては、代替手段がなく支払うしか選択肢がないというのはいささか納得しがたいものがある。
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