このたびは新設されました「特別奨励賞」をいただきましてありがとうございます。
当社では、経営理念の一節に「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」という一節があります。これを人事の基本理念と定めて、経営に貢献する人事と働きがいのある環境をつくる、ということに取り組んできました。
当社の創業者である早川徳次は、もともとは東京で創業し、関東大震災後に関西へ移り、エレクトロニクスメーカーとして今日に至っています。もともと実力主義で、男女を問わず登用すべし、特に公正な人事、公明正大な経理というものをつねに追い求めなさい、ということを創業者から言われてまいりました。そうした背景もあり、当社では人事制度を体系化した頃から、一般職、総合職というような区別もありませんし、本社や研究開発部門、北海道のサービスマンから沖縄の営業マンまで同じ人事制度で処遇しつつ、多様性を尊重し、公平な人事を展開する、ということを行ってきました。
ただ、2000年代に入りますと、グローバル化や少子高齢化という波が押し寄せてまいりました。われわれも考え方を変えなければいけないという思いの中で、「多様な人材の活用」を経営戦略上の重要な位置づけ、テーマとして取り組んでまいりました。そうした中でポジティブ・アクションという活動も進めてきたわけです。
私は女性社員ともよく面談をしますが、彼女たちが何らかの障壁のために活躍できないということを目の当たりにしてまいりました。
関西ではよく「もったいない」と言うのですが、「ほんとにもったいないな。女性をもっともっと活用していけるような場をつくらなければいけない」--こういう思いから「女性社員の戦力化プログラム」に着手し、そのバックアップ策としてワークライフバランスにも取り組んでまいりました。
今回の受賞は、こうした長年にわたる地道な制度や仕組みづくり、現場での活用などに、これまで取り組んできた成果を評価いただいたものと思っています。特に1日ではできない女性社員の平均勤続年数や母親社員率で成果を上げることができました。また3年前からは、男性社員の育休取得の強化策に取り組んできました。私の名前のメールで対象の男性社員の上司にメールを送り、「育休計画を出すこと。いつ取るのだ」といった取り組みを行った結果、育休取得率30%という目標に対して、3年かかりましたけれども、取得率34%を達成することができました。今日の受賞はこうした地道な成果が実を結んだのだと思います。一緒に活動してきました仲間にはほんとに感謝したいと思っています。
今後は、われわれも「経営に貢献する人事」という視点でとらえ、「世界で闘えるヒトづくり」、すなわちさらなる多様化、ダイバーシティへの対応を進めていきたいと思います。
今回の受賞は「今後の発展が期待される企業」が対象ということで、当社が受賞させていただいたと思っております。今後もこの賞に恥じない新たな活動を展開いたしまして、日本人だけでなく「グローバルに活躍できるヒトづくり」を実現するオンリーワンなシャープ・グローバル・HRDスタンダードの構築を目指していきたいと思います。
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