三菱電機が「20年ぶりの大規模事業改革」に本腰 かつての「電機業界の優等生」が抱く危機感
自動車機器事業の改革を進める一方、大きな成長を見込む事業には投資を進めていく。その筆頭が、工場の自動化需要に対応するFAシステム事業や空調事業だ。
FAシステム事業は、2022年度の売上高が8438億円、営業利益は1422億円と、三菱電機にとって断トツの稼ぎ頭だ。2025年度には売上高1兆円、営業利益2000億円を目指す。
世界シェア上位3位に入る3製品
「シーケンサー、サーボ、CNCを3つとも手がける企業は世界にも三菱電機とシーメンスしかいない」
加賀専務がそう胸を張るように、順序通りに装置を動かすためのシーケンサー、位置や速度の指示に従うよう制御するサーボ、プログラム化された数値指令を制御して工作機械を動かすCNCはそれぞれ、世界シェアでトップ3に入る。
通常、シーケンサーで制御する装置にはサーボも使われており、工作機械ではCNCとサーボがともに搭載される。親和性が高い3製品すべてを保有することによるシナジーがあり、これら3製品を重点成長事業として大きく拡大させる計画だ。
FAシステムは幅広い業種で必要だが、とくに電池などの脱炭素領域での伸びを見込む。地域ではシェアが高いアジア、中でも中国に一層力を注ぐ。
もう一つ、大きな成長を目指すのが空調・家電事業だ。2022年度の実績は売上高1兆3611億円、営業利益714億円。それを2025年度に売上高1兆7000億円、営業利益1870億円に伸ばす。
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