サムスン、「苦戦のスマホ」は挽回できるのか 日本のモバイル事業トップに聞く
――具体的にはどのような体制で臨むのか。
これまでもBtoBの部隊はあったが、規模は小さく、うまく機能していなかった。6月から陣容を大幅に強化する。具体的な人数は言えないが、営業の人員を増やし、機能も改善させる。またエリアセールスも強化する。
一例として西日本では人員を増やし、中国地方や九州も含め西日本全体の統括を、従来の東京から関西地区にシフトすることも検討している。
私はこれまでIT業界で30年間、主にBtoB分野でやってきた。その能力、経験をフルに活かし、新たな市場の開拓、次世代にマッチしたサービス構築に尽くしたい。
――キャリア経由のBtoC(消費者向け)では、シェア5%未満と低迷している。
今後BtoCも当然伸ばしていく。5%ということは、伸ばせるポテンシャルが大きいということ。従来のギャラクシーはどちらかというと機能面で訴求してきたが、新型の「ギャラクシーS6」はデザインを重視している。特に若い世代や女性に狙いをさだめていきたい。
販売員を増やしたマーケティング戦略も、ギャラクシーの認知度向上につながっており、まずはいいスタートを切った。S6については「ゼロからのスタート」と、われわれは公言しているが、まさに次世代スマホのスタート地点にある端末だ。スマホには今、新しい潮流が起こっている。eコマースやゲームなど、できる世界がどんどん広がっており、アンドロイド陣営をリードしていきたいと考えている。
日本も2強体制に近付いていく
――日本市場ではiPhoneが約6割のシェアを占めている。ギャラクシーとiPhoneが拮抗するグローバル市場とは異なり1強の状況だ。
確かに日本のスマホ市場は、グローバルのカルチャーとは違う部分もある。ただ日本も緩やかにグローバル市場に近付いていくだろう。私は2020年の東京五輪がそのタイミングになると思う。(1強よりも)2極体制になれば、市場も発展するし、消費者の満足度も上がるだろう。アンドロイド勢の中で、われわれがリーダーシップを発揮したい。
――ところで、ギャラクシーS6から「サムスン」のロゴを外している。その理由は?
一つはデザイン上の理由だ。S6からは特にデザインを重視しており、ロゴがないほうがきれいだ。実際、最近は他社の端末もほとんど、企業ブランド名はあまり書かれていない。
もう一つは「ギャラクシー」というブランドの認知度を高めたいからだ。日本ではすでに8割の認知度があるが、さらに浸透させたいと考えている。
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