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東証・元社長「石橋湛山は投機に賛成していた」 KKR日本法人会長・斉藤惇氏インタビュー

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石橋湛山は自由主義・自由貿易の拡大を主張した。

KKR日本法人会長 斉藤惇氏
斉藤 惇(さいとう・あつし)/KKR日本法人会長。1939年熊本県生まれ。野村証券副社長、住友ライフ・インベストメントCEO(最高経営責任者)、産業再生機構社長、東京証券取引所代表取締役社長、日本取引所グループCEOなどを歴任。2015年から現職

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今年6月、政界に超党派の議員連盟「石橋湛山研究会」が発足した。死去から半世紀が経ったにもかかわらず、その主張や生き方に学ぼうとする動きが起こるのはなぜなのか。
『週刊東洋経済』11月18日号の創刊記念号特集は「今なぜ石橋湛山か」。豊富なインタビューや寄稿を基に湛山の軌跡を振り返る。
『週刊東洋経済 2023年11/18特大号(絶望の中国ビジネス)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

証券・金融業界で働いてきた私にとって、石橋湛山は「信念がある人だな」と感じ入っていた人物だ。それは、1930年代に湛山を中心に開かれた「投資と投機」についての座談会に関する文章を読んだときのことだ。

湛山は投機に賛成していた。当時は「投機は禁じるべきだ」という時代の雰囲気だった。湛山は「投機は大事で、投機のない世界は現物に値がつけられない」と主張していた。

私はかつて日本に先物市場を導入する事業に携わったことがある。そのときも先物に対する拒否感があった。

しかし、湛山のときは軍国主義・統制経済が拡大していた時代だ。異論を許さなかった時代に、湛山はなんと堂々と主張していることか。

戦略には先見の明

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