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議員連盟「石橋湛山研究会」に覚悟はあるか 言論・政治活動はつねに身の危険と隣り合わせ

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石橋湛山の言論活動や政治活動は、つねに身の危険と隣り合わせだった。

評論家 佐高信氏
佐高 信(さたか・まこと)/評論家。1945年山形県生まれ。経済誌編集長を経て評論家に。『良日本主義の政治家―いま、なぜ石橋湛山か』『湛山除名―小日本主義の運命』『この国の会社のDNA』など著書多数。現在『佐高信評伝選(全7巻)』を刊行中(撮影:今井康一)

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今年6月、政界に超党派の議員連盟「石橋湛山研究会」が発足した。死去から半世紀が経ったにもかかわらず、その主張や生き方に学ぼうとする動きが起こるのはなぜなのか。
『週刊東洋経済』11月18日号の創刊記念号特集は「今なぜ石橋湛山か」。豊富なインタビューや寄稿を基に湛山の軌跡を振り返る。
『週刊東洋経済 2023年11/18特大号(絶望の中国ビジネス)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

超党派の議員連盟「石橋湛山研究会」が立ち上がったことをまずは評価し、期待もしたいと思う。が、議連メンバーがどれだけ湛山を理解し、覚悟を持っているかについては疑問がある。

例えば1960年、演説中だった社会党の浅沼稲次郎委員長が元愛国党員の山口二矢(おと や)に刺殺された。山口は浅沼を含め6人をテロの標的にしていたといわれる。日本教職員組合委員長の小林武、日本共産党議長の野坂参三、部落解放運動のリーダー松本治一郎、自民党「容共派」と呼ばれた河野一郎、そして湛山だ。浅沼は湛山の古い友人でもあった。

つねに身の危険と隣り合わせ

湛山が率いた『東洋経済新報』は戦前には植民地主義を批判し、戦時中にも東条英機首相から「とくに監視すべし」と警戒されるなど、ぎりぎりの線で主張を重ねた。

蔵相時代の湛山はGHQ(連合国軍総司令部)の駐留経費に斬り込もうとし、公職追放された。所属していた自由党からは2度も除名処分を受けている。

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