「自民党本流」と「保守本流」
──保守とリベラルは対立概念のように語られますが、田中さんは、ハト派で寛容でリベラルな態度こそが保守だと説いてきました。
私は自民党にはいわば「自民党本流」と「保守本流」というべき2つの流れがあると言ってきた。
戦前の国策を肯定的に受け止める自民党本流の源流は岸信介。敗戦後、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに収監されたが、不起訴となって釈放。政界復帰を果たし、1955年の保守合同、自由民主党の結成を主導した。安倍晋三元首相は祖父の岸を尊敬していたし、亡くなるまで自民党綱領を“党是”として振りかざし自民党政権を牽引した。
一方、保守本流の思想的源流が湛山だ。先の大戦に際しては当初から国策の間違いと批判していた。湛山をはじめ、大戦の反省を共有し、戦後日本を構想して運営した人たちが保守本流だ。吉田茂や湛山の後に池田勇人、田中角栄、大平正芳、宮澤喜一らが続き、私自身もその流れの中で政治活動をしてきた。石破首相も保守本流の立ち位置を自覚していると思う。
──自民党の綱領は自民党本流の人たちが作ったものですね。
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