田中角栄は訪中直前に病床の石橋湛山を訪ねていた。
田中角栄元首相の私邸、いわゆる「目白邸」に石橋湛山が来訪していたことは知っている。田中が訪中直前に湛山邸を訪れたことも知っている。しかし、残念ながら私自身は湛山に直接会ったことはない。
だが田中の行動を通して、中国との付き合い方、ひいては日中国交正常化実現に向けた考え方や行動力において、田中と湛山はとても似ていると考えている。
田中が訪中を決断したのには、1971年にキッシンジャー極秘訪中、72年にはニクソン訪中という大事件が起き、「米国に後れてはならない」という背景はあった。
4つの力が必要
しかし、それ以上に「国益を見据えれば、中国に行くべきだ」という信念によったものだと思う。あれだけの市場を抱える中国を外した貿易立国は成り立ちえないと強く考えていたのではないか。




















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