日本のEV、風力が危ない! 中国依存をやめよ 脱炭素と脱中国、「グリーン経済安保」が必須

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港の敷地に並べられた風力発電機の羽根
中国の港で輸出を待つ風力発電機の羽根(写真:Getty Images)
李克強前首相の突然の死、日本人駐在員の逮捕など不吉なニュースが続く中国。経済成長が鈍化し、直接投資が初のマイナスになった「世界の市場」から企業が逃げ始めた。
『週刊東洋経済』11月18日号の第1特集は「絶望の中国ビジネス」。共産党が経済よりも大事にしている「国家安全」は中国をどう変えていくのか? 日本企業のビジネスへの影響は? 匿名座談会や特別対談など、豊富な記事でその答えをお届けする。
『週刊東洋経済 2023年11/18特大号(絶望の中国ビジネス)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

日本政府は、2050年の「ネットゼロ(温室効果ガス排出量正味ゼロ)」達成に向け、2030年度の温室効果ガス排出46%減(2013年度比)を掲げている。2021年に策定した「エネルギー基本計画」では、2030年度の再生可能エネルギーの比率を36〜38%に引き上げるのが目標だ。

ところが、日本は脱炭素をめぐる技術や製品では中国依存が進んでおり、サプライチェーン上の脆弱性が指摘されている。EV(電気自動車)のバッテリーに欠かせないリチウムは、約55%を中国から輸入する。EVのモーターや風力発電機のタービンに不可欠なレアアースは約60%を中国に依存する。

求められる脱炭素と脱中国

これでは重要な国策の遂行が中国の意向に左右されてしまいかねない。今こそ、脱炭素と脱中国を同時に進める「グリーン経済安全保障」政策が求められている。

世界の再エネ分野の製品で中国の競争力は強い。

国際エネルギー機関(IEA)が2022年に公表した報告書によると、太陽光パネルの主要製造段階における中国のシェアは8割を超える。主要素材であるポリシリコン(多結晶シリコン)やウェハーは、今後数年で中国のシェアが95%にまで達するという。

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