ホンダ、GMとの「EV共同開発」中止で広がる波紋 30年EV200万台生産計画維持も、問われる代替案

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ホンダは10月19日に、GM傘下のクルーズと2026年から自動運転タクシーサービスを東京都内で開始すると発表したばかりだった(写真:ホンダ)

北米のEV(電気自動車)戦略に暗雲が立ちこめ始めた。

ホンダはアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する予定だった量販価格帯の中小型EVについて、開発を中止すると明らかにした。「ガソリン車と同等レベルの競争力を持つ」(ホンダ)3万ドル(約450万円)程度のEVを目指していたが、「商品性と価格のバランスを取ることが難しくなったため」(ホンダ)という。

量販EVの開発や生産での提携を打ち出したが……

両社は昨年4月、量販価格帯の中小型EVを共同で開発し、お互いの工場を活用し数百万台規模のEV生産体制を整えることで合意したと発表。スケールメリットを生かした高効率生産や開発の分担によるコスト抑制を通じ、世界で1000万台以上の市場があるコンパクトSUV(スポーツ多目的車)など人気セグメントでも競争力のあるEVを展開する方針を示していた。

ホンダは2024年に高級ブランド・アキュラから「ZDX」、ホンダブランドから「プロローグ」という2つのSUVを投入する計画を明らかにしている。いずれもGMと共同開発したもので、GM製電池「アルティウム」を積んでいるがこの2車種については予定通り投入するという。

ホンダにとって、北米は世界販売の3割を占める屋台骨といえる。2040年に世界で売る新車をすべてEV・FCV(燃料電池車)にする目標を掲げる中、主力市場である北米でどのようにEVのラインナップを展開していくかは課題だった。

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