ホンダ、GMとの「EV共同開発」中止で広がる波紋 30年EV200万台生産計画維持も、問われる代替案
そこで活路を見いだしたのが自動運転やFC領域、EVへと協業関係を拡げていたGMだった。
GMと開発を進めていたEVでは細部に入り込んだ議論が行われ、開発や調達領域のすみ分けも進んでいたようだ。関係者によると、ホンダがボディや内装を担当、GMはE&E(電気/電子)アーキテクチャや電装品を担当し、専用プラットフォームの立ち上げを計画していた。
マーケティング面では、コネクテッドやエネルギーといった新たなサービスを盛り込むことで、ホンダがこれまで獲得できていなかったデジタルネイティブ世代をターゲットにした新型車を企図していたという。
ADASをめぐって折り合いがつかなかった
具体的な計画が進んでいたにもかかわらず、わずか1年半での頓挫には何があったのか。
「今年8月頃には計画中止の噂が聞こえてきていた。ADAS(先進運転支援システム)の方向性などで折り合いがつかなかったようだ 」。あるホンダ系部品メーカーの首脳はそう明かす。
ホンダとGMの協業関係は次世代領域の広範囲に及んでいるが、複数の関係者によるとEVを巡って「GMはつねに金の話ばかりする」「開発の話がなかなかうまくいかない」などホンダ幹部の苦労が周囲に漏れ伝わっていたという。
あるホンダ幹部は「実際に一緒にやって、考え方、開発の仕方を互いに知る中で、(一緒に)できないというのがわかってきた」と話す。一方で「これでGMとの関係が終わったわけではなく、多くの領域で連携するパートナーには変わりない」と強調する。
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