中国車載電池「CATL」の成長に急ブレーキの理由 市場環境の激変で7〜9月期の成長率は1ケタ台に

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中国の新エネルギー車市場では、中国政府が2022年末をもって(普及促進のための)補助金支給を打ち切ったのをきっかけに、完成車メーカー間の価格戦争が勃発。生産原価の低減(によるコスト競争力の強化)がメーカー共通の課題になっている。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

CATLのEV向け電池ビジネスは、顧客のコスト志向の高まりや完成車市場でのPHV人気などの逆風にさらされている(写真は同社ウェブサイトより)

CATLはこれまで、優れた技術と品質で完成車メーカーから高い評価を受けてきたが、(顧客のコスト志向の高まりという)市場環境の激変に直面している格好だ。

さらに、中国の新エネルギー車市場で(電池切れの心配が少ない)PHVの人気が高まっていることも、CATLの成長の逆風になっている。PHVが搭載する電池の量は、同クラスのEVに比べてずっと少ないからだ。

ヨーロッパなど海外市場は順調

一方、海外市場の開拓は順調に推移している。CATLが10月20日に開示した機関投資家向け決算説明会の議事録によれば、ヨーロッパ市場における2023年1~8月のシェアは34.9%と、前年同期比8.1ポイント上昇した。

本記事は「財新」の提供記事です

CATLは目下、ドイツとハンガリーに電池工場を建設中だ。特にハンガリー工場の規模は巨大で、計画生産能力は年間100GWh(ギガワット時)に上る。同社はプロジェクト第1期の34GWh分の建設工事についてハンガリー政府の許認可を取得済みで、約2年で完成させるとしている。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は10月20日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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