私は、すでに私たちは映画『マトリックス』で描かれたような世界に生きていると考えている。
そして、AIに人間が支配される世界をユートピアとみるのか、ディストピアとみるのか。
その選択はあなた自身に委ねられている。
バーチャルの「ドラえもん」は、すでに手にしている
ChatGPTは、AIに「チャット」というインタフェースをつけたことで、誰でもが使いやすくなり、世界に広く受け入れられるようになった。まだ発展途上ではあるが、今後トレーニングによって、どんどん賢くなるだろう。
いわば、私たちはすでにドラえもんを手にしているのだと思う。
世界中の知識を駆使して会話をすることができ、少なくともバーチャルな世界であれば、ドラえもんのひみつ道具はすべて実現している(現実でも「ほんやくコンニャク」の機能は使える)。
漫画の中のドラえもんは、パートナーであるのび太くんのことを覚えて、のび太くんとのやりとりの中で成長していく。AIのドラえもんも同じだ。時にはクラウド経由でアップデートをすることもあるかもしれないが、ドラえもんがのび太くんに寄り添うように、私たち1人ひとりのパーソナリティや好みに合った形で順応していくだろう。
現時点ではAIのドラえもんに体はないが、ARで作ることはできる。ホログラムのように何かのキャラクターを3Dで表示させたり、ドラえもんの姿かたちにこだわらなければ、モバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」などのロボットに、AIを実装してやればいい。あるいは2024年にアメリカで発売予定の複合現実ヘッドセット「Apple Vision Pro」を使ってもいい。このデバイスを使えば目の前にARでCGや画像を表示できる。
何よりこのAIドラえもんは、いつでも自分のレベルに合わせて話し相手になってくれるし、寄り添ってくれる。拒否されることもなければ、裏切られることもない。
これは仕事に疲れた人が、癒しを求めてペットショップに立ち寄るのにも似ている。なんの緊張感もなく、一緒にいるだけで楽しい。今後のAIは、人間にとってそうした存在になるのかもしれない。
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