横浜地下鉄ブルーライン「延伸」は進んでいるのか 開業目標2030年、ルート概略は決まっているが

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ブルーラインの延伸は、公的には「高速鉄道3号線延伸事業」と呼ばれる。これは、一般的にブルーラインと呼ぶ路線のうち、あざみ野―関内間の正式名称が「3号線」、関内―湘南台間は「1号線」となっているためだ。

延伸するのは、現在の終点であるあざみ野駅から小田急線新百合ヶ丘駅南口付近まで。路線は基本的に地下で、道路下などの公有地を活用する。一帯は丘陵地帯の住宅地。新設する駅は4カ所で、住宅が広がる嶮山付近、団地などがあるすすき野付近、川崎市立のスポーツ施設「ヨネッティー王禅寺」付近、そして新百合ヶ丘駅付近だ。

現在、地域の足は路線バスだが、ブルーラインが延伸開業すれば現在はバスで約30分かかっている新百合ヶ丘―あざみ野間は約10分に、新百合ヶ丘―新横浜間は現状のJR横浜線(町田駅)経由と比べて8分短い約27分に短縮される見込みだ。

あざみ野駅前のバス
新百合ヶ丘駅などへのバスが多数発着するあざみ野駅(記者撮影)
新百合ヶ丘駅
小田急線の新百合ヶ丘駅は周囲に大型商業施設が立ち並び、バスも多数発着する川崎市北部の拠点だ(記者撮影)

ルート案は2020年に決定

概算事業費は約1760億円。事業化を判断した2019年1月時点での発表では、1日当たりの需要は約8万人を見込んでおり、1を超えると事業採算性があるとみなされる「費用便益比(B/C)」は30年で1.48~1.59と見積もっている。事業主体はブルーラインを運行する横浜市交通局だ。

ルートについては2019年8月に両市が「西側ルート」「中央ルート」「東側ルート」と称する3つの案を示した。いずれも横浜市内は同一で、その先の川崎市内のルートが異なる案だ。両市は3案のうち、広範囲に向かうバス路線が整っており、鉄道とバスの連携による市北部へのアクセス性が高いこと、バスとの競合が少ないこと、既存の駅と最も離れていることなどの利点から、「ヨネッティー王禅寺」付近を経由する東側ルートを有力案として提示。市民からの意見募集を踏まえ、2020年1月に同案に決定した。

ヨネッティー王禅寺
付近に駅が設けられる予定のスポーツ施設「ヨネッティー王禅寺」(左)。道路を挟んで向かい側はリニア中央新幹線のトンネル工事現場だ(記者撮影)
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