その方法を、①運用は年率3%と抑え気味にする、②引き出しは毎年残高の4%とする、というルールを設定してみると、大まかに保有している資産は毎年1%ずつ減少していくことになりますから、80歳時点で2400万円になるように逆算してみると、65歳時点で約2800万円が必要になります。
65歳から15年間は「使いながら運用」を
注目して欲しいのは引き出し総額です。100歳から80歳までの20年間の引き出し額は、10万円×12カ月×20年で2400万円です。これは預金金利を0%で想定した場合、80歳の時点の残高と同じになります。
一方で、65歳から80歳までの15年間、年率3%で運用できたとしても、その間もお金を引き出すので、残高は少しずつ減っていきます。つまり、残高の4%を引き出す、という設定にすると、毎年の引き出し額は少しずつ減っていくことになります。
それを考慮して15年間の引き出し総額を累計すると約1560万円となります。なお、収益率は変動するので、実際のところは毎年3%の収益率というわけにはいきません。ただその計算は複雑になりますので、ここでは毎年3%で運用できたと仮定しています。
2つの時代の合計引き出し総額は、約4000万円となります。65歳時点の保有資産は約2800万円ですから、65歳から80歳までの15年間を「使いながら運用する時代」とすることで、約4割増しの引き出し総額を作り出すことができる計算です。
退職後における資産収入は、上手な対応で柔軟性の高い収入となります。繰り返しになりますが、もし「65歳から毎月10万円の資金を保有している資産から取り崩して生活費の不足に充当する」と考えたとき、その必要総額は100歳までの累計で4200万円でした(=10万円×12カ月×35年)。
65歳時点で2800万円の資産しかなかったとしても、工夫次第でそれが何とか達成できる可能性が出てくることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
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