「結婚生活は不幸」嘆く夫婦に伝えたい本当の価値 夫婦の仲を維持し親密にする最も大きな力とは?
わたしたちはこの小説を通して、夫婦が一緒に暮らすことについて考えさせられます。夫婦とは、性的な欲望、愛されたいという依存的な欲望、攻撃性、強欲さ、嫉妬、子どものように幼稚なわがままなど、自分のすべてを相手にさらけ出す関係です。
ところが、生存と幸福のために互いが切実に必要なため、かえって配偶者によって束縛され、コントロールされていると感じやすいのです。そのため、ときどき1人になり、自由でいたいと思うのですが、実際に1人になると話が変わります。もちろん最初はひさしぶりの自由が新鮮な空気のように感じられ、まるで監獄から釈放されたような気分になります。
「ともにおこなう」だれかがいるということ
しかし、こうした気分は束の間で、1日、2日と過ぎると、そわそわしているのに気づくのです。1人で食べる食事はおいしくないし、好きなテレビ番組を好きなだけ観ることができるのに、なんとなくつまらなく感じられます。そして、こんな一人言をつぶやくのです。
「あんなにうんざりしていたのに、胸に穴が開いたような感じがするのはなぜだろう? いつもの小言が聞きたいのはなぜだろう?」
夫婦の仲を維持し親密にする最も大きな力が、この「ともにおこなう」ことだからです。1人でおこなう経験は瞬間的なことが多いですが、配偶者とともにおこなった経験とそのときの感情はふたりのあいだで共鳴し増幅します。
それだけでなく、その経験を配偶者とともに記憶しているという事実は、実在の経験であるとの確信を与え、その記憶に生命力を吹き込んでくれます。「喜びは分かち合えば2倍になる」という言葉のように、感動も分かち合えば共鳴し増幅します。そして心に刻まれるのです。
あなたのつまらない習慣さえも知っている人、知りながら我慢してくれるだけでなく愛してくれる人、ゆえに人生の歴史を一緒に歩んでいる人、いまの経験を共有しその経験に意味と生命力を与えてくれる人、その人こそがあなたの配偶者です。
なんでも「ともにおこなう」だれかがいるということ、それこそが人生における最大の祝福ではないでしょうか?
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