「結婚生活は不幸」嘆く夫婦に伝えたい本当の価値 夫婦の仲を維持し親密にする最も大きな力とは?
しかも、こうした仕事に不慣れの場合はもっとつらく感じられて、だれかがこっそりとやってくれればいいのに、という思いが脳裏をかすめます。愛しているなら、わたしのお母さんやお父さんがやってくれていたみたいに、楽をさせてくれるべきだ、と自分勝手な発想をするのです。
そうしているうちに、仕事の分担で摩擦が生まれます。愛とは自分が生きるために相手を必要とする感情や行為だというのは、ある程度認めるとしても、際限なく要求ばかりする愛は未熟な愛です。
配偶者が不幸の原因となる瞬間
わたしが幸せなら当然相手も幸せだろうという錯覚を捨てましょう。本当の愛は思いやりを土台に成長します。相手の気持ちを傷つけないように、相手が苦労している部分を分かち合おうと努力さえすれば、日常の退屈でつまらないことに邪魔をされずに、幸せを培っていくことができます。
選ばなかった道への悔いは、だれにもあります。とくに現状を不幸だと感じている人ほど、その思いが強いことでしょう。しかし、そんな思いを抱きつづけていると、幸せになる可能性をしりぞけてしまった自分が愚かに思えてきます。同時に、現在の不幸を耐えていくのが難しくなります。
可能性と現実のあいだにある葛藤は結婚生活にも当てはまります。結婚とともに恋愛時のロマンチックさは消え失せ、繰り返される日常と経済的プレッシャーにあえいでいると、愛していた記憶はぼんやりとしか思い出せなくなり、配偶者の無能で気に入らない部分が、さらに我慢できなくなります。
さらに時が経つと、配偶者は不幸の原因となります。そうなると、両親の束縛から救い出してほしいといまの配偶者に望んだように、今度は結婚という不幸と監獄から救い出してくれる別の相手を夢見るようになります。
さびしさから逃れようと結婚したのに、配偶者を見ながらもっと深いさびしさに襲われる時期があります。そうなると、過去に付き合ったか、好感を持っていた人たちのことが頭に浮かび、その人たちのブログやSNSをひんぱんに見にいくようになります。
あるいは、同じ職場で毎日顔を合わせる同僚に個人的な悩みを打ち明けて、恋に落ちることもあります。配偶者に理解してもらいたいし、思いやってほしいのに叶わない欲求が満たされ、愛が燃え上がるのです。
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