ウィル・スミス「平手打ち」の裏に隠されていた闇 妻ピンケット・スミスの不倫問題も影響していた

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回顧録やインタビューでは、平手打ち事件以外にも、スミスとの関係についてのプライベートなことが赤裸々に語られている。にもかかわらず、ピンケット・スミスに離婚の意思はないようで、「(平手打ちの後)初めて、別れても彼の妻として嵐の中を支えていこうと思いました。こんなふうに思ったことはしばらくぶりです」と彼女は言う。

妻がそんなふうに思っていたのだと知ったスミスは、「目が覚めた」「人生の半分以上をひとりの人と一緒に過ごすと、隠れたニュアンスに鈍感になってしまうものだ」など、反省の念を示すメールを「New York Times」に送った。

「夫」「妻」とは呼び合わないふたりが公にそんなやりとりをする様子は、外から見てなんとも奇妙だ。ソーシャルメディアには、スミスの反応について「気持ち悪い」「みじめな男の象徴」、ピンケット・スミスについて「男の人生を破壊するナルシシスト」「彼女もウィルの暴力について謝らないんだ」などという辛辣なコメントが並んでいる。

理想の夫婦イメージを壊した茶番劇?

「夫(まだ結婚しているのだから)がオスカーであんな振る舞いをしたことを恥じているのだろうが、テレビ番組に出てもう夫婦じゃなかったと言うのは正直ではない。なぜ離婚しないのかの理由もない。そこは私の知ったことじゃないが、彼女は有名だから出版社はこの本を出し、人はそれを買って(私は買わないが)彼女は金儲けをするのだ」

「このふたりは今や、本業よりもスクリーンの外のドラマで注目されている。リアリティ番組を見ているよう。もともとそんなに興味がなかったが、個人的にもうこの”番組”はたくさん」などといったコメントは、多くの賛同を得ている。

それはこのふたりどちらのキャリアにとっても決してよいことではないだろう。そう遠くない昔、スミスは熱烈な愛妻家、ピンケット・スミスはハリウッドのトップスターに選ばれた幸せな女性として、世界から羨ましがられていたものだ。

彼らは自らの手でその幻想を壊してしまった。だが、ふたりに離婚をするつもりはないという。この不思議なカップルはここからどう進んでいくのか。意図せずして、ふたりは今、キャリアと人生の分岐点に立っている。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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